Cover Image

UFO in '70s

1970年代のUFOブームについて

90年代のカルチャー誌のUFO特集

2026年1月12日

※この記事は2019年3月にブログに上げた記事の書き直しです。

70年代のUFOのことを、ある程度まとめて書いたので、また少し違う話を。

80年代は、僕は東京に上京するなどの環境の変化もあって、UFOについてはほとんど関心を持たなくなっていたので、80年代の動向はよくわからないのですが、それでも多分、この時代にはUFOブームはなくなってしまったなあと感じていたと思います。

しかし、90年代になって、その頃少し興味のあったいくつかのカルチャー雑誌(UFOとは本来関係ない雑誌)の数誌が、UFOを特集するのを見て、もう関心は薄れていたものの、またUFOブームのようなものが来ているのだろうか思いました。

その雑誌というのは、以下にあげる3誌です。とりあえず発行年順に紹介します。

「月刊SPY」1991年8月号 — 特集:UFOの研究

「月刊SPY」1991年8月号 — 特集:UFOの研究

「月刊SPY」1991年8月号 — 特集:UFOの研究
「月刊SPY」1991年8月号 — 特集:UFOの研究

「トワイライトゾーン」誌の編集長務めたことがあり『宇宙人の死体写真集』の著者である中村省三氏が、特集冒頭の文章を書いていて、「さまざまな側面を持つUFO問題は、取り組む価値のあるテーマである」ということを、まず述べています。

内容は、まさに様々な側面から執筆陣を取りそろえていて、SF作家の光瀬龍氏やニューエイジのコンサルタント(?)、大学教授としては大槻教授(プラズマ論)のほか通信や時間論の研究者、人類学者、そして反重力推進の研究家の清家新一氏と気功師?の渡辺聖玄氏へのインタビュー、そしてトリとして並木伸一郎氏と永瀬唯氏による「日本初公開」(同誌による)となる最新UFOニュースを掲載しています。また掲載されているUFO年表のデザイン担当には戸田ツトムの名前があって、豪華?な布陣となっていました。

「i-D JAPAN」1992年11月号 — 特集:UFO

「i-D JAPAN」1992年11月号 — 特集:UFO

「i-D JAPAN」1992年11月号 — 特集:UFO
「i-D JAPAN」1992年11月号 — 特集:UFO

コリン・ウィルソン執筆の「UFOはテクノ・エイジの新興宗教である」(大瀧啓裕訳)というエッセイではじまるこの特集は、「UFO問題とは人間の問題である」ということをテーマにしているようです。

執筆陣として荒俣宏、大槻義彦(物理学)、香山リカ(精神科医)、赤坂憲雄(日本文化史)、岩谷宏(メディア/コンピュータ評論)、金子隆一(科学技術評論)といった取りそろえで、山形浩生ほかがUFOブック・ベスト10を、柳下 毅一郎がUFO映画ベスト10を上げているページがあります(敬称略)。錚々たるものです。

この雑誌は位置づけとしてはファッション情報誌のはずですが、この特集の内容は少し薄いものの意外と硬派です。でも、ファッション誌が?一体どういう時代だったのだろうと思ってしまいます。

「International GEO Magazine」1994年4月号— UFO 精神世界への宇宙旅行

「International GEO Magazine」1994年4月号— UFO 精神世界への宇宙旅行

「International GEO Magazine」1994年4月号— UFO 精神世界への宇宙旅行
「International GEO Magazine」1994年4月号— UFO 精神世界への宇宙旅行

この特集は「UFO 精神世界への宇宙旅行」と題されており、ハニア・ルチャクというジャーナリストのルポルタージュとUFO解説小コラムで構成されています。(おそらくドイツ版GEOに載ったものの翻訳記事)

ルポには1992年1月にエジプトのカイロで開かれた「世界UFO研究家会議」を舞台に、ピラミッドの間近でUFOを見る集いの様子やUFOへの信仰心や宇宙人との交信体験などについて、そして参加者たちの人間模様が書かれています。

特集の最後には、翻訳監修者である山中康裕氏(京都大学教授)のユング心理学におけるUFOについての解説コラムが添えられる、という構成です。

僕の前の記事で、70年代の終わりくらいに、アダムスキーの支持基盤であるカルチャーが求道的なオカルティズムからニューエイジ的なものに置き換わって行く過程があったかもしれないということを書きましたが、80年代には、ニューエイジというか、むしろ日本的には「精神世界」と呼ぶべきかもしれませんが、精神世界カルチャーとUFOムーブメントの結びつきが強くなってきて、UFOは一般に受け入れられるレベルのサブカルチャーからは乖離していったのではないかなあと思います。僕の印象としては80年代はそんな感じです。

しかし、90年代になると、少し「オトナな議論」としてUFOが俎上に登るようになってきたように見えます。オトナな議論と言うと少し語弊がありますが、つまりは、UFO体験そのものではなく、UFOをムーブメントとして外側から語る(見る)ようなことです。上にあげたカルチャー雑誌の特集記事のように、UFOを各文化背景での位置づけやこころの問題として見たり、精神世界側については、それを特別なコミュニティーとしてレポートしたりといったカタチです。あるいは、TVタックルの超常特番のように「UFOについて議論する人たち」にフォーカスするというのも構造としては同じものだったのかも知れません。

紹介した雑誌は、僕がたまたま見つけていたものを取り上げただけですし、実際のところ90年代にUFOブームが再燃していたのかどうかは、よくわからないのですが、どちらにしてもそれは70年代のそれとは、当然ながらそうなのでしょうが、上のような流れから見ても別物だったのだろうなと思った次第です。

今回は以上です。